高まるケアマネジャーへの期待
要介護認定の申請をして要支援・要介護者と認定された人は、来年4月から介護保険を使って介護サービスを受けることができるようになります。
従来は市町村自らがサービスを提供していましたが、介護保険制度では、サービス利用は、被保険者と事業者・施設との間の直接契約になります。利用者の選択の自由が確保されると同時に、供給者間の競争を促しサービスの質の向上が期待されます。 しかし、新しい制度もサービス供給者・利用者間に情報の不平等があれば、うまく機能しません。
一般に利用者はケアに関する専門知識やサービスの種類・量に関する情報をほとんど持っていないので、多くはケアマネジャーにケアプランの作成を依頼することになります。
ケアマネジャーは、利用者の希望を反映しつつ、あるサービスが不足していれば、別のサービスでやりくりするといったように、限られたケア資源の中で利用者に適切なサービスの組合わせが供給されるように市町村、在宅サービス事業者などと連絡調整を行います。
従って、ケアマネジャーはケアそのものに精通していると同時に、関係機関や他のケアマネジャー相互の連絡調整を通して地域のサービスの種類や量をリアルタイムで把握していることが望まれます。
現行のショートステイ(短期入所介護)を例にとると、利用希望者は登録してもすぐに利用できないことが少なくありませんが、常時満杯になっているわけではなく、空床のある所もあります。逐次更新される情報のネットワークがあれば、地域内に十分な資源が確保されているにもかかわらずアンバランスが生じるという状況は、おおむね解消されることになります。
限りあるケア資源を活用する工夫
しかし、現在のところ地域のケア資源に関する情報を集約し、連絡・調整を行う仕組みは出来ていません。ケアマネジャーが適切なサービスの組合わせを判断するだけの情報を持ち得ない状況にあれば、利用者は不利益を被る恐れがあります。ケアマネジャーが提供する情報を基に利用の意思決定をする利用者は、本来利用できる水準以下のサービスに満足せざるを得ないことになるかもしれません。
介護保険制度では、サービスに何らかの苦情等が生じた場合に苦情や相談などを国保連合会や市町村の窓口などで受け付ける仕組みが制度上位置づけられていますが、こうした事後的処理だけでなく、ケアプラン作成段階や事業者・施設との契約段階で十分な情報が提供される仕組みが必要です。
今後、市町村では、住民参加のもと、基盤整備についての検討に入るものと思われますが、それが単なるサービスの総量確保策の議論に終わることなく、限りあるケア資源を公平かつ効率的に活用するためのネットワークづくりなど利用者本意のケアシステム構築に向けた議論へと展開していくことが期待されます。
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