毎日新聞夕刊の「文化 批評と表現」欄の連載「中島岳志的 アジア対談」では、アジア研究の中島岳志さんと、行政学の山口二郎さんという、北海道大学の俊英がそろい踏みして、楽しかった(3月19日付)。
「地方の視点で改革を問う」というタイトルぴったりの議論が、しっかり組み合っていたからだ。
何でも「イエス、イエス」で意気投合するのが「日本的議論」なのだけれど、ほんとうの議論とは、互いに「ノー」といいあいながら、問題点を明らかにしてゆき、同時に一致点も見いだすことだろう。
夕張の例をひきながら中島さんは、行政が崩れて、ある種の直接民主制が表れてきたのが面白い、と語る。
山口さんは、これに共感を示しながら、同時に、市民ができることと、行政にしかできないことをちゃんと見分けるべきです、と応じる。
夕張の今年の成人式は、新成人たち自身が予算1万円で企画した。テレビ朝日系の報道番組「スーパーJチャンネル」でぼくは、大いに感動してコメントをしたが、なるほど、成人式なら思い出深いものになるが、病院や学校はとなると、やはり行政の力でなくてはできない。
大型の対談をここですべて紹介するわけにはゆかないけれど、ともかく「地方の視点」というものの大切さが、とても誠実に話し合われていたと思う。
「地方の視点」の重要さがしきりに説かれながら、しかし現実には「中央の視点」のみがマスコミでハバをきかしているだけに、さまざまな示唆に富んだ企画だった。
それを読みながらぼくは、『しゃりばり』の存在をしきりに思った。「地方の視点で改革を問い続けているドンチャン騒ぎ」の素晴らしさ、さまざまな可能性を模索している力を感じながら、同時に、山口さんの略歴の最後のところに、「趣味はギョーザ作り」と記してあったのに気がついた。
そこで、ちと話は飛ぶが、はじめてお会いした人に、ご趣味は何ですか? と質問されるたびに、ハテ、ぼくの趣味は何だっけ? としばし考えこむ。
フツー、趣味といえば、スポーツ、釣り、読書、音楽鑑賞、絵を見ることなどなど、しかるべき定番がある。
しかしぼくの場合、読書、音楽、絵画などに、かなりの時間をさいているけれど、そのどれもがショウバイに、何らかのかたちでいやらしく結びついているから、純粋な意味での趣味とはいいにくい。目的なしに、ただ楽しむだけなのが趣味なのだから。
そこで、銭湯だとか、豆腐屋さんへの買い物だとか、いささか妙なことを並べたてる。
「正座」と答えたこともある。一杯やりに行った先が座敷だったら、しばし正座をして飲むのが趣味というわけだ。
どうもぼくのはスカッとしないが、「ギョーザ作り」とは、いいねえ! もともとギョーザは大好きだけれど、自分で作ったことはない。なかに包みこむ具は何にしようか? とか、焼きギョーザにするのか、水ギョーザにするのか、スープにするのか? などと考えるべきことはいっぱいある。
当然ながら、ここにも「地方の視点」を生かさなくてはならず、土地土地のシュンのものを刻みこむ工夫も大切だろう。